「もみじの家」について

国立成育医療研究センターの「もみじの家」では、重い病気を持つ子どもと家族を支える医療型短期入所サービスの提供とともに、小児緩和ケア病床の運用も行っています

国立成育医療研究センターは、小児・周産期医療を担う日本で最大の医療研究センターであり、「高度専門医療に関する研究等を行う国立研究開発法人に関する法律」に基づいて設置されている成育領域唯一のナショナルセンターです。

これまで行ってまいりました急性期を中心とした高度先進医療の提供、人材育成及び技術開発のみならず、急性期の治療が終了した後も医療的ケアを必要とする子どもとその家族への支援として、医療型短期入所施設「もみじの家」の運営に取り組むことと致しました。

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助かる“いのち”が増えた一方で、最先端の医療をもってしても救えない“いのち”があります。家族とともに過ごしたい、さまざまな経験を重ねて自分らしく過ごしたい―そういう願いも叶えられないまま、最期の日々を病院で過ごす子どももいます。

また、現在、病児・障害児を受け入れる保育所・幼稚園や学校は未だ少なく、医療ケアが必要な場合は断られるケースもあります。その結果、家族の負担は極めて重く、親や兄弟・姉妹などの生活も大きく制限され、子どもや家族は地域の中で孤立してしまうことも少なくありません。こうした家族の生活を支える機会が、いま切に求められているのです。

病気による制約がどれだけあろうとも、重い病気を持つ子どもには、遊んだり学んだりできる“子どもらしいひととき”が、家族には”くつろぎと休息のひととき“が必要です。

重い病気を持つ子どもとその家族が安心して暮らせる社会を目指して

国立成育医療研究センター病院棟の南西に隣接する二階建ての「もみじの家」に、自宅で医療ケアを受けている子どもと家族を短期間受け入れ、ひとり一 人が子どもらしい生活、くつろいだひと時を過ごせるよう、さまざまな医療ケアに対応します。同世代の子どもたちと遊んだり学んだりと、普段自宅ではなかなかできないことをして過ごすことができるよう、日中活動を計画します。家のような安心・リラックス できる団欒の場をつくり、子どもの成長・発達に応じて“わくわく”する体験を提供します。

子どもに「寂しい思いをさせたくない」「幼少期のため手を離せない」「スタッフに普段の子どものケアを伝えるため、初めのうちは泊まりたい」といった方々のため、家族で滞在できる部屋も設けました。

ボランティアや障害者雇用を積極的に取り入れ、社会とのつながりが希薄になりがちな子どもと家族を、地域と関わることができるように支援します。

また、専門的な緩和ケアを受けながら、限りのある“いのち”を大切な人と穏やかに過ごす「小児緩和ケア病床」の運用も行っています。

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本プロジェクトが目指すものは、子どもがたとえ重い病気を持っていても、自宅で家族と一緒に安心して過ごすことができる社会を創ることです。そのためには、“子どもらしいひととき””くつろぎと休息のひととき“が必要です。

子どもの個性に合わせた新たな支援モデルを研究開発し、その成果の普及と政策提言をすることにより、社会の理解を深め、新しい支援のしくみを全国に広めることを目指します。皆さまのあたたかいご理解とご支援を、心からお願い申し上げます。