国立成育医療研究センターの医療型短期入所施設「もみじの家」が、2016年4月にオープンいたしました
笠原 群生
国立成育医療研究センター 院長
「もみじの家」は、自宅でなんらかの医療的ケアを行っている子ども達とその家族をサポートする施設です。成育は高度先駆的医療を推進して、重症なお子さん達、難病のお子さん達を救うための医療、研究を行う機関です。その成育が「もみじの家」を併設して運営するまでに至るには 色々なことがありました。
その一番の理由は、多くの子ども達を救命できるようになりましたが、残念ながら、何らかの医療を自宅でも継続しなければならない子ども達が増えてきたことです。
国立成育医療研究センターの外来に通っている人工呼吸器が必要な患者さんの数は100名を超えています。日々、ご家族の努力は大変なことと思います。自宅でもなんらかの医療を必要とするという結果に至ったことについて、私達、医療側、特に高度先駆的医療を使命とする病院は、真摯に受け止めなくてはなりません。
私たちは「もみじの家」をご利用いただく子ども達、ご家族だけでなく、「もみじの家」で働くボランティアの方々を含めたスタッフ も「心が暖かくなる」施設を目指しています。日々、スタッフは忙しく働くことになりますが、理想は高く持とうと思っております。
「もみじの家」は100%民間の方々からのご寄付で、立派な施設が完成しました。運営資金の多くは、今後も、ご寄付に頼っていかなくてはなりません。すでに多くの方々が協力してくださっています。このような輪をもっと広めていけるよう、精進して参ります。
わが国の小児医療と福祉の歴史から見ても極めて画期的な事業で、多数の方からのご支援を得て運営することができます。本事業の推進が我が国の小児医療と福祉を大きく変えることに寄与することを祈念します。